ヤマダ電機と業務提携も… 「大塚家具」久美子社長の土俵際

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父・勝久氏は

 さらに、大塚家具が新たに業務提携を結んだヤマダ電機はどうか。ヤマダが展開する「家電住まいる館」に、家具を卸したり、両社でノウハウを交換することを計画しているというが、

「ヤマダ電機は以前、大塚家具との提携を断っているはずです」

 とは経済ジャーナリストの松崎隆司氏だ。

「今回、ヤマダ電機に再び業務提携を申し込んだのは、背に腹は代えられないということでしょうが、先方にかなり有利な条件を飲まされたはず。ヤマダの山田昇会長はシビアな経営者ですからね。一般的に、企業が経営危機に陥れば、提携先が再建の主導権を握るケースが多い。家具ビジネスに進出したいヤマダ電機は、そこまで視野に入れているのかも知れません」

 一方、久美子氏と袂を分かった父・勝久氏の「匠大塚」は、目下、3店舗に拡大し、東京・青山にショールームを移転する予定だ。

「ホテルなど法人のお客さんからも注文が増えており、捌き切れないほど忙しい。最近は、勝久会長も、大塚家具を見放していると思います」(匠大塚の関係者)

 助けてもらったつもりが竈(かまど)の灰までごっそり待って行かれてしまうのは、ビジネスの世界ではよくあること。現世の「かぐや姫」を待っているのは、美しい月とは限らない。

週刊新潮 2019年2月28日号掲載

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