米朝交渉物別れでも、実は“ほくそ笑む”文在寅 韓国が北の核を使って日本を脅かす最悪シナリオ

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「Korexit」が始まる

 ただ、こうした保守派の指摘が韓国人の耳に届くかは疑問だ。「北の核」の既成事実化は、「親米」という存在を揺るがすからだ。

 韓国は米国に見放された。北朝鮮が非核化の意思を見せないのに、トランプ政権は融和的な姿勢を続ける。「そんな米国の核の傘を信じられるのか」と普通の韓国人なら思う。

 そのうち、かなりの人が、「だったら同族の核の傘に頼ったほうがいい」と考えるのは確実だ。仮に北朝鮮との関係が劇的に改善したとしても、韓国にとって日本や中国という仮想敵は残る。「誰かの核の傘」は不可欠なのだ。

 同時に、北朝鮮と敵対する親米保守は、北の核ミサイルの矛先を南に向かせる危険な存在と韓国では見なされるだろう。かくして、米韓同盟の解体が始まる。

元国立外交院長である尹徳敏(ユン・ドクミン)韓国外大碩座教授は朝鮮日報に「ベトナムでKorexitが始まるのか」(2月11日、韓国語版)を寄稿した。

「ベトナム」とはハノイでの米朝首脳会談を指す。「Korexit」は「Brexit」(英国のEU離脱)をもじったもので、韓国の米国との同盟からの離脱を示す。結論部分が以下だ。

●国内で政治的危機に見舞われたトランプ大統領は、第2回首脳会談でのどんな合意も大成功と美化することだろう。

●韓国国民の安全を脅かす70余発に達する核弾頭、1000基の中・短距離ミサイルなど、既存の核兵器をそっくりそのまま残した状態で制裁緩和と終戦宣言を行うなら、北朝鮮の核保有が既成事実化するのはもちろんのこと、韓米同盟を重視する韓国内の勢力の立場は弱体化する。

●第2回首脳会談の結果によっては、韓米同盟から韓国が離脱するコレグジット(Korexit)という現象が起きるかもしれない。

 ハノイでの首脳会談で、トランプ大統領は尹徳敏教授の恐れた安易な制裁緩和には応じなかった。だが、「70余発の核弾頭、1000基の中・短距離ミサイル」は手つかずのまま。解決のメドも立たない。

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