韓国国会議長の“噴飯要求”、発言撤回を阻止するマンガのような理由とは
日本の気を引く韓国
ここで文大統領も文国会議長も慰安婦の事実を一つずつ確かめてもらいたい。これまで慰安婦を調査の度にチラつかせられたが、韓国側はそれが本物かどうかを日本側は確かめさせなかった。不確かを持続させたのは朝日新聞と左翼言論の持続的な報道である。しかし朝日が最後に謝罪せざるを得なかったのは“証拠”として持ち出したものが、すべてインチキだったことだ。
1965年に日韓基本条約と請求権協定が妥結された。私は駆け出しながら、外務省担当記者で、条約というものはこうやってケンカしながら作るのかと悟ったものだ。最初に、何でもかんでもテーブルの上に乗せる。次にそれをケンカ腰しで放り出す。テーブルの上にものが無くなって、日韓基本条約が妥結された。そう思い込んで何十年も経ち、宮沢内閣の頃に、突如、慰安婦問題が浮上してきた。慰安婦賠償問題は日韓基本条約の締結時に、“検討漏れ”だったからだという。出来上った条約に追加で賠償を加えるには、何か強い根拠がなければならない。
しかし売春は戦中、戦後とも公認の職業で、公式に禁じられたのは58年以降である。条約を交渉している間には全く問題とならなかったはずだ。問題があるとすれば「金を払わなかった」とか「踏み倒した」といった類のことだが、この事実についても米軍がビルマの日本人基地が陥ちたあと、婦人達から「きちんと払われていた」旨の証言を得ている。韓国側は無理に連れていかれたという。では当時の新聞に「慰安婦募集」の広告が多く残っているが、「月収300円」だという。大学出の10倍も貰うのだから、強制などする必要はない。
こんな化け物みたいな話がなぜ、突然、浮上したのか。90年代、宮沢喜一首相の韓国訪問に当たって、“おみやげ”を持っていかねばならない。こういう場合、最も都合が良いのがカネで、カネを貰う理屈として考え出されたのが、慰安婦にまつわる“賠償金”である。慰安婦が働いた時期は、彼女らは日本人である。日本人として働いたから奴隷扱いはなかったはずだ。日本人は何千年もかかって国を作ってきたが、奴隷制だけはなかった。慰安婦について「性奴隷」というのも間違っている。
イチャモンをつけて恥し気もなくカネを寄越せという神経は日本人にはないが、韓国側は大威張りである。かつて自民党・宏池会は、中・韓に金をやればアジア外交が良くなると思い込んでいた。要するになめられていたのである。文国会議長など甘え上った見本のようなものだ。
安倍外交は中国にも韓国にも自然体である。「オレがおごるからメシを食おう」とわざわざ言い出すことはない。この4、5年、中国は突っ張りすぎて、孤立するとでも思ったのか、向うから近づいてきた。太平洋の地勢学からみて、日本が中国に近づいたら、呑み込まれる。安倍首相はインド、豪州を巻き込んで、インド太平洋戦略を形成した。中・韓と組んで一群になりたいのが宏池会の多数派だが、これでは中国と朝鮮の思うつぼだ。
宏池会は小さなカネで韓国の機嫌をとり、天安門事件では天皇を訪中させるという大間違いを犯した。果ては中国に迎合した河野談話の発信である。
いま韓国の大統領や国会議長が日本をののしっているのは、日本の外交当局が自国の方を向かないから、気を引いているのである。
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