予約殺到の頭ほぐし専門店「悟空のきもち」がNY進出 勝算は「特にありません」

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「行く」を英語でいう場合には、GoのほかHeadを使っても表せるそう。無水ヘッドスパで日本を席巻した「悟空のきもち」が、このたびヘッド・トゥ・ニューヨークである。

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「悟空のきもち」は、日本初の“頭ほぐし”専門店だ。世に肩や足を揉む店は数あれど、「頭」はなおざりになりがち……。そこに商機を見出した元会計士の金田淳美社長が、2008年に京都で創業した。

 謳うのは“絶頂睡眠”をお届けするほぐし術。“揉み手”であるヘッドマイスターの手によって、客のほとんどが10分以内に眠ってしまうんだとか。口コミを中心にその評判は広まり、現在では京都店ほか、心斎橋、そして原宿と銀座に店舗を構える。

 今では“1カ月の予約が1分で埋まる”とか“43万人がキャンセル待ち”なんて状況にあるという(HPより)。揉んできた頭はのべ50万人ほど。ここ2~3年はスタッフを増員し、100名態勢を敷いても対応が追いつかない。キャンセルが出たことを知らせるためのLINEアカウントまで用意されているというから、人気のほどがうかがえるものだ。そんな「悟空のきもち」が、この3月からニューヨーク店を開店するという。

「いざ海外進出!というわけでは、まったくないんです……」

 と、NY滞在中の金田社長に代わって取材に応じるのは、社外広報担当の永野氏である。

「『NYへ出店したい』というのは、創業時からの金田の夢なんです。おかげさまで日本のお店は好評で、現在、銀座店は席数を増やすために拡張しているほど。もし新たにお店を出すのであれば、本当ならば日本がいい。しかし夢が忘れられず、今回、NY店をオープンすることとなりました。だから向こうで受け入れられるのか、“勝算”というのも別にないんです」

 出店地は、ミッドタウンの中心、エンパイアステートビルまで南へ4ブロックという立地だ。これも「一昨年頃から探し始めて、たまたま空いていた」のだそう。

「頭ほぐしがアメリカで受け入れられるか?といったマーケティングも特にしていません。向こうの方は、肩が凝らないなんて話も聞きますし、“流行らないよ”ともいわれます。が、そもそも日本もそんなところからスタートしたわけですからね。日本では“頭を揉まれて気持ち良くなる”という新しい体験型のエンターテイメントとして支持されてきた経緯があります。NYでは、どうでしょう。むしろ何もないゼロからビジネスを立ち上げる、そんな体験をもう一度してみたいからこそ、NYに店を出すというのもあります。」

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