沖縄県民投票「3択」で物議 玉城デニー知事の“玉虫色”
〈賛成〉か〈反対〉か、それとも〈どちらでもない〉か――。2月24日に投開票が予定される沖縄の県民投票で、まさかの「3択」が物議を醸している。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題。玉城デニー知事(59)は、改めて民意を示すと胸を張るのだが……。
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美しい海を護れ! タレントのローラやりゅうちぇるが怒りの声を上げ、ハンスト騒動まで起きた沖縄の基地問題が山場を迎えている。玉城知事の悲願である、沖縄の民意を問う県民投票がまもなく始まるのだ。
投票は県議会で制定された条例を基に行われるが、その結果に法的拘束力はなく、示された“民意”は、安倍総理やトランプ大統領に伝えられる予定だという。
「注意したいのは、県民投票で問われるのは『辺野古移設への賛否』ではなく、『埋め立て工事の是非』だという点です」
そう話すのは、『沖縄の不都合な真実』の共著者で評論家の篠原章氏である。
「美しい海を土砂で埋めることに賛成するのか、反対なのか。そう問われれば誰だって反対したくなる。本質的には安全保障、政治問題なのに、このままだと“海を汚してもいいのか”という、県民感情を煽るだけの投票になりかねません」
また、2択ではこんな状況も生まれかねない。
「例えば基地を普天間に固定化すべきだという人も、『2択』のままでは埋め立て〈反対〉に投じるしか選択肢がありません。さらに埋め立て反対という人の中には、辺野古の陸上部分への移設には賛成という意見もあるでしょう」(同)
昨年から玉城知事を支持するオール沖縄が掲げた「2択」での県民投票では、正しい民意をくみ取ることができない。そう主張する宜野湾市、沖縄市、うるま市、離島の宮古島市、石垣市の5市長は、県民投票への協力を拒否。実に県民の3割にも及ぶ人口を抱える自治体が、不参加となってしまう可能性があったのだ。
そうなると、沖縄市在住の玉城知事本人も投票できない。そんな事態を避けるため、急遽提案されたのが「3択」方式だったのだ。
しかし、この県民投票を分かりづらくしてしまっている元凶こそ、第三の選択肢の存在だと篠原氏は続ける。
「〈どちらでもない〉という選択肢は、いったい何を指しているのか。曖昧な選択肢が仮に一定数の票を占めて“民意”となったら、県民が何を考えているのか、まったく分からない状況になってしまいます」
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