就活は本当に“売り手市場”? ルール廃止で激変する「就活戦線」の必勝戦略
「学生」「親」「人事部」必読! 「ルール廃止」で激変する「就活戦線」の必勝戦略――曽和利光(1/2)
昨年秋に飛び出した経団連の“就活ルール廃止宣言”。現在の大学2年生から適用というが、現3年生も他人事ではない。新局面を迎える就職戦線を勝ち抜く戦略とは? 2万人を超える就職希望者の面接を行った経験をもつ曽和利光氏が戦い方を指南する。
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事態はなお流動的ではありますが、はっきり言えるのは、いまどんどん“就活格差”が広がっているということです。
〈昨年10月、中西宏明経団連会長が“就活ルール廃止”を宣言した。一方、大学や政府は、“今後、政府主導で就活ルールを構築する”と主張。はたしてこれから就活はどう変わるのか。
リクルート人事部で十数年にわたり採用・育成などを担当した曽和利光氏に話を聞いた。〉
これまでは経団連が自ら「〇月から×月までに採用を行う」と宣言していました。誰しも自分で言ったことは守りますよね。でも今回、経団連はそれをやめると言った。これは「俺たちは自由だ」と言っているのに等しいのです。
これからは政府が企業側にルール遵守を要請する形になるわけですが、「採用」は、企業にとっては死活にかかわる重要な経営戦略。現に人手不足で潰れる会社が出てきています。そんな大事なことに政府があれこれ注文を付けても、企業が守るわけありません。採用担当者の多くも「これで縛りは緩くなったな」と呟いています。
これまでも、企業の採用は水面下で自由化の流れが出来ていましたが、“ルール廃止”によってこれからは明確に自由化が進んでいきます。
そうなると、たとえばものすごく早い時期に内定を出す会社が現れ、批判を浴びるなんてことが出てきます。過去にも自由化して採用を早めた企業はありました。けれどもどれも失敗に終わっています。大学1年生で付き合っている恋人と結婚しますか。そういう人もいるでしょうが、多くは適齢期に付き合っている恋人と結婚するでしょう。
就職も同じで、いずれ多くの企業の採用が“適齢期”に落ち着きます。具体的に言うと、人によっては3年春から4年秋まで掛かっていた就活が、これからは3年生の夏にインターンなどに参加し、秋に採用活動、3月に内定、という流れになるのではないかと思います。
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