巨人キャンプ撮 「原vs.由伸」新旧監督の胸の内

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 サングラスに隠されて目つきこそ見えないものの、どこか誇らしげに口元を綻(ほころ)ばせている巨人・原辰徳監督。かたや、「野球解説者」として視察に訪れた高橋由伸前監督の表情は、苦虫を噛み潰したかのよう。2月2日、宮崎市にて行われたキャンプでのワンシーンである。元コーチの村田真一も交えた3人の視線の先では、バッティング練習がたけなわだ。

 高橋が原とバトンタッチしたのは昨年10月。担当記者によれば、

「12年ぶりの勝率5割以下という不名誉な記録を残しましたが、4番の岡本和真という“大砲”を育成するなどたしかな功績もありました」

 バトンを継いで、3度目の監督就任となった原は、大改造の手始めに元木大介や宮本和知などの“タレント”や“お友達”を中心にコーチ陣を組閣。同時にメジャーリーガーのビヤヌエバをはじめ、マリナーズから岩隈久志、西武ライオンズから炭谷銀仁朗と、巨額投資で選手を補強した。

 前監督、“このメンツなら俺だって……”とホゾをかんでいるのでは?

「そんなことないでしょう。人事に関して由伸は完全にフロントまかせでした。一方の原さんは、全権監督として自分のお気に入りで周囲を固めた。監督も60歳で若くないし、常に後継者として由伸を意識しています」(同)

 高橋にしても当面は“雌伏”の時間。

「いずれ返り咲いたとき、原さんの側近から信頼できる人物を続投させればいい。長い目で見れば今回の人事は、双方にとって悪い話ではない。とにかく今年は、是が非でも結果を出さないといけません」(同)

 鍵を握るのは補強の“目玉”、広島からきた丸佳浩選手だという。

「キャンプ入りしてからも、彼は相変わらず練習の鬼。かつて小笠原道大が、日ハムから巨人に移籍して2年連続MVPを獲得しましたが、丸にも同じ雰囲気があるから、期待できますよ」

 目指すは当然“丸勝ち”か。

週刊新潮 2019年2月14日号掲載

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