バレンタインチョコ300個 田中みな実は“100点満点”強迫症!?

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 果たして今年も配っているのか。局アナ時代に担当番組の共演者やスタッフ含めて300個のチョコレートを配ったと豪語していた田中みな実。しかも手作り。

 この件について田中は同僚からやっかまれたと話している。チョコを配ることで仕事をもらえてるんだ、と思われていたと。そんなことで仕事がもらえる訳ではない、悔しかったら自分も300個配ってみなさいよ、とタンカを切っていたが、私もこのやっかみの方向性は違うと感じている。

 おそらく田中は、仕事がもらえるという明確な損得計算ではなく、「自分が誰よりも頑張ったと言われる見せ場」が欲しかったのではないか。実際、上記のコメントの際、「売れている人は普段から努力をしている」と語っている。その「努力」がわかりやすく可視化できるイベントがバレンタインだっただけ。手作りが嬉しいかありがた迷惑かは人や環境によって評価が分かれるだろうが、それでも手作りを選ぶのは、かけた労力が周囲にわかりやすいからだろう。

 一方でこうした負けん気の強さや完璧主義の反動が、彼女の「闇語り」につながるとも感じる。もっと私はできるはず、もっと私は愛されるはずなのに、と、常に周囲からの「あなたが一番」「満点」という評価を求めてしまうのではないか。一方、彼女とキャラが似ていると比較される宇垣美里は、「誰がどう思おうと私が100点満点」と言い切れるタイプのように見える。かつて彼女に対し田中は「バイタリティが足りない気がする」と評していたが、田中が「100点をとれる科目があれば全部とらないと気が済まない」というタイプに対して、宇垣は「何か1科目だけでも100点ならそれでいい」というタイプの違いではないだろうか。だからこそ宇垣はより自分のパーソナリティが出やすいラジオでも人気を得ているのだろうし、田中がテレビほどラジオで評価が上がらないのは、比較対象がいる中での自分のポジショントークが得意だからとも言える。ちなみに田中が表紙をつとめたグルメ雑誌では、「求められるキャラには乗っかるし、おいしいところをもらいたい。たとえ計算でも可愛げのある女でいたい」とあけすけに語っていた。逆に言えば、求められるキャラがはっきりしないところは計算しづらく、おいしいとこどりができず困ってしまう、それが闇語りにつながるのではと感じたのである。

「みんなのみな実」でありたい自意識の強さと病理

 求められるキャラがはっきりしない場所、というのは、その場の損得や上下関係が見えない場所だろう。たとえば同級生や同僚といった、同世代との場も挙げられるだろうが、田中はこうした場所に縁がないと言う。高校時代は一人で体育館裏でご飯を食べていたし、古巣のアナウンサーの集まりや同窓会にも呼ばれない。高校時代の話にあたっては、「人とつるんで内申点が良くなるわけでもないから群れる意味がない」と吠え、その媚びない強さは喝采を浴びていた。

 しかし彼女がこういう話をすればするほど、こういう場で「100点を取れない」自分にコンプレックスがあるのでは、と勘ぐってしまうのだ。「みんなのみな実」でありたいのに、うまくいかないという強い自意識が見え隠れする。人間関係は勝ち負け、だから利害関係が発生しない場では満点の振る舞いなんてわからない。だけど0点をつけられてはプライドが許さない。なら、いっそそんな評価項目は意味が無いものとしてしまえばいい、というような、0か100かで全てを測る極端ささえ感じるのである。タクシー車内や飲食店での態度の悪さ、南海キャンディーズ・山ちゃんや尼神インターからも手のひら返しを暴露されていたが、格下と見るや無視をするのも、彼らに中途半端な点数をつけられてはたまらないという自己防衛なのかもしれない。

 最近では美容雑誌やドラマにも進出して好評な田中。そのストイックさや向上心は素晴らしいと同性からも人気を獲得している。が、彼女に限らず優秀な人間に多いが、この「あらゆる場で100点を獲りたい」病は、成功すればするほど抜け出しづらくなる。無理してでもやればできるんだ、という成功体験を生み、結果が出ないと疲弊して燃え尽きてしまうこともあるものだ。

 先日のラジオでは、「専業主婦になりたい」と語っていた田中。もう全方位で100点をとろうと頑張るのに疲れたのかな、と思った。とはいえ、彼女ならそれこそパーフェクトな男性を射止めることも容易なはず。仕事に頑張ることに疲れ、結婚に救いを求める同世代女性たちの共感を得るための満点発言か、と深読みするのはさすがにうがちすぎだろうか。彼女のこれまでの自意識を見ていると、「みんなのみな実」から、「ただ一人のためのみな実」に収まるとは思えない。しかし、彼女の100点強迫症は少しずつ軽減する方が生きやすいのでは、と勝手ながら見ている次第である。さて、そんな彼女の今年のバレンタインの動向はいかに。

(冨士海ネコ)

2019年2月14日掲載

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