細野豪志の“自民党入り” 去りゆくプリンスへ「贈る言葉」

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「安倍政権はグロテスク」

 細野氏は当選以来、一貫して「二大政党制の実現」「自民党政治の打破」を旗印にしてきた。

〈今や自民党から穏健な保守勢力は消え去り、国家主義が跋扈している〉〈安倍総理の思想は、保守というより国家主義への回帰〉

 細野氏が2013年に著した『未来への責任』の中の言葉である。「安倍政権の権力行使はグロテスク」「日本の民主主義を救うのは民主党しかない」とまで述べたことも。

 政治家ってそんなものだろう、と思いつつも、ここまで悪口を言っていた政党に頭を垂れるとは、その変わり身の早さには驚きを禁じ得ないが、この“昨日の同志”について、かつての盟友たちは何を思っているのか。

 まずは、

「寄らば大樹、ということですよね」

 と嘆息するのは、希望の党の松沢成文代表である。松沢代表は、民主党と希望の党で細野氏と行動を共にしたが、

「今の『希望の党』を作った時に、彼を誘ったんです。“一緒にやろうよ。小さくても今は頑張っていけばいつか必ずチャンスは来るから”と。それでも結局、彼は逃げちゃった」

 この時点で自民党志向なのかな、と思ったという。

「細野さんはまだ若くて先も長いので、大きなところに入っていかないと出世できないと判断したんでしょう。小さいところで闘うのはツライと思って来なかったんでしょうね。でもベンチャービジネスだって最初は小さいもの。アップルのようにガレージの中で始めた会社が世界規模の大企業になることもある」

 47歳は政界ではまだ年若。なのに挑戦の気概に欠けると喝破するのである。

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