新「團十郎」後援会長の座めぐる争奪戦 慣例は“時の大物政治家”

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「宝塚は退団公演で、歌舞伎は襲名披露で稼ぐ」なんて言葉もある。歌舞伎界きっての大名跡「團十郎」の十三代目を7年ぶりに襲名する市川海老蔵(41)。来年5月から始まる披露公演は、“30億円興行”といわれた父の十二代目襲名時を優に超え、100億円近い収入が見込めるともいわれる。

 一大イベントを控え、実は今、梨園関係者の間では、ある名誉職の“人事”に注目が集まっている。襲名に伴い選出されるだろう新團十郎の「後援会長」だ。

 歌舞伎担当記者が、そのワケを教えてくれる。

「先々代十一代目の際は佐藤栄作さんが、先代の時は中曽根康弘さんが名誉後援会長を務めました。“その時を代表する”大物政治家が就くというのが、暗黙の了解で慣例となっているんです」

 1962年、59年ぶりの團十郎襲名となった十一代目は、後に首相となる佐藤栄作に後援会長を依頼。ギョロ目で「政界の團十郎」の異名を持つ佐藤は喜んで引き受けることに。その例に倣い、85年の十二代目の時は中曽根首相(当時)が、團十郎ファンの田中角栄元首相を抑え、進んで名誉会長の座に就いたという。

 そんな経緯を受けての今回の人事、果して誰が――。

「もちろん本命は安倍首相。でも統計不正問題などを抱え、来春まで何が起るか分らない。“政治的に偏りがある”と一部贔屓筋(ひいきすじ)が猛反発中とも。そうなると他に首相経験者として麻生太郎氏、引退した福田康夫氏や細川護熙氏辺りの名も挙がります。ただ正直、軽すぎる。歌舞伎好きの森喜朗さんは自ら名乗り出そうですが、すでに五輪組織委の会長ですからね」(先の記者)

 いやもう一人、この人も忘れちゃいけない。小泉純一郎元首相だ。やはり大の歌舞伎通として知られる。

「確かに知名度はありますが、今は反原発を主張するただの変人、“時を代表する”政治家かどうか……」(同)

 みな帯に短し襷(たすき)に長し、といったところか。襲名披露の裏で散らされる“大物政治家”たちの火花、こっちの方が見ものかも?

週刊新潮 2019年2月14日号掲載

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