死闘続く「ゴーン」vs.「日産・検察」連合 スパイ映画さながらの調査も“論破”

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安い家具を置けるか

 また、豪邸ではゴーンの家族が暮らしていただけでなく、少なくとも年に4、5回、中東各国の販売代理店などを集めたパーティを開いていた。

「レバノンは中東では飛びぬけて気候が良いうえに、サウジなどと比べると同じイスラム圏でも世俗的で寛容。お酒も口にできるし、女性のファッションも比較的自由です。なので、ベイルートに招いて接待するのが、一番喜ばれる。中東を知っている人間なら、それは常識です」(同)

 取り調べを担当する検事から「安全のための社宅なら、なぜ豪華なシャンデリアみたいな調度品が必要なんだ?」と問い詰められたゴーンは、「世界的企業のCEOが客を招待する自宅に量販店で買ったような家具を置けると思うか?」「安い家具を買うためだけに、往復の航空券を用意して日産の社員をわざわざベイルートまで派遣するわけにはいかない」などと反論したという。

 さらに、破綻寸前の日産を立て直すために、1999年にルノーからCOOとして送り込まれたときの話を持ち出し、当時の経営陣の贅沢ぶりを検事に訴えた。

「実は、日産本社のオフィスにはピカソなど一流絵画が飾られ、おまけに、都内一等地である品川の御殿山には“社長公邸”がありました。ゴーンはそれらを処分したのですが、“かつての経営陣と比べて、私のやっていることは、それほど異常なのか?”と、検事に畳み掛けた。もともと特捜部は、日産に豪邸を購入させたことが特別背任にあたるとして捜査を続けていたものの、それ以来、その質問をしなくなったそうです」(同)

(2)へつづく

週刊新潮 2019年2月14日号掲載

特集「逆襲の『ゴーン』! 中東の販売代理店が日産を訴える理由」より

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