「夢の治療薬」治験失敗で… 「東証マザーズ」暴落の阿鼻叫喚

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成功率は3万分の1

 だが、新薬の開発は水ものだ。化合物の発見から治験を経て国の承認が下りるまで、成功率は3万分の1と言われている。

 中小の創薬企業は大手製薬会社と提携し「マイルストン」と呼ばれる資金を得て事業を続けるが、多くはフェーズ3(最終治験)の手前で失敗する。サンバイオもしかり、だった。

 株式評論家の植木靖男氏が言う。

「サンバイオのような赤字のバイオ株はバクチと同じです。PER(株価収益率)などの指標では判断できないので、まともな機関投資家は手を出しません」

 ところが、マザーズには、そんなバイオ株がごろごろ(18社)ある。

「シグマ・キャピタル」チーフエコノミストの田代秀敏氏によると、

「専門性が高いバイオ株は、本来ならベンチャー投資家が手掛けるか、プロしか参加できないマーケットで売買されるべきです。ところが、日本では、情報を持たない個人投資家が簡単に手を出すことができる。株式投資は個人の責任で行うもの。しかし、サンバイオの暴落は、金融行政に投資家保護の視点が抜けていることを改めて教えてくれました」

 個人投資家にとっては苦すぎる「夢の治療薬」だったのである。

週刊新潮 2019年2月14日号掲載

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