『もっと言ってはいけない』著者が予見する「働き方改革」の残酷な未来
『もっと言ってはいけない』著者が予見する「働き方改革」の残酷な未来――橘玲(1/2)
安倍政権が進める「働き方改革」で日本型雇用が崩壊した後には、どんな雇用形態が生まれるのか。正規非正規、男女、国籍、年齢など、あらゆる差別をなくしていけば、行き着く先は「成果主義」しかない。そしてそれに基づく「金銭解雇」制度の導入はもう避けられない。
***
「リベラル」を自任する知識人やメディア、政治家たちは、これまでさまざまな場面で致命的な間違いをおかしてきた。資本主義と自由な社会よりも毛沢東の文化大革命やスターリンの収容所国家を賛美し、冷戦崩壊まで(あるいはそれ以後も)自らの過ちを認めようとしなかったのがその典型だが、最近では「働き方改革」で同じ轍を踏んでいる。...