問題提起の作家が語る「大坂なおみ」アニメ問題 “人種差別の問題だとは思っていない”

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人種差別の問題ではない

 側面その2について話を進めると、マクニール氏は、「なぜなおみの肌を白くしなければならなかったのか?」と指摘する。

「これはアメリカのメディアでも日常的に行なわれていることですが、“どんなキャラクターが消費者にとってより魅力的か”という問題だと思います。今回の広告は明らかに日本人の消費者をターゲットとしていて、日本人は肌の色が黒い人に比べ白い人により親近感を感じるのだから、黒くするより白い方に持って行こう……という判断だったのではないでしょうか。彼らのゴールは人類愛でも世界平和でもなく、ラーメンを売ることなのですから」

 果たして、日清がそこまで企図していたか判然とはしないが、ともあれ、CMはYouTubeにアップされたものだ。

 相手は日本に留まらず世界だったのだから、「黒を白にする」という離れ業は軽率の誹(そし)りをまぬかれまい。

 ジャーナリストの徳岡孝夫氏はこんな見方をする。

「今回のホワイトウォッシュも、ハッキリとした悪意や差別感情があったわけではないと思います。日本人・日本社会は、欧米社会に憧れや劣等感を抱いており、無意識に白人・白人社会と同じような振る舞いを行ないがちなのです」

 前出のマクニール氏も、

「私は今回の件を人種差別の問題だと思っていません。日本に長く住む者として、日本で取り沙汰される『人種問題』というものが、必ずしも特定の人種に対する嫌悪や差別的な発想から生まれているわけではないと知っているからです」

 と語り、一方的に“差別”を糾弾する立場からは距離を置く。

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