Amazonプライム 松本人志「ドキュメンタル」はなぜ地上波より遥かに面白いのか
「笑ってはいけない」のパクリ――?
「HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル」という番組をご存知だろうか。アルファベットの表記の通り、松本人志(55)の冠番組。ただし、地上波では見られない。Amazon Prime Video(以下「Amazonプライム・ビデオ」「Amazonプライム」)で配信されているからだ。
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2016年11月にシーズン1が配信されると、たちまち人気を集めた。最新版は18年11月から12月にかけてのシーズン6。また、シーズン1から3は、DVDとBlu-rayにパッケージ化されて発売もされている。
民放キー局の番組制作スタッフは、「ネットオリジナルのバラエティ番組としては異例の成功作として、テレビ局でもよく話題になります」と言う。
「予算規模や構成など、ドラマとバラエティは根本から違うとはいえ、今度、テレ朝がリメイクすると話題の米ドラマ『24―TWENTY FOUR―』でさえシーズン8で終わっています。そう考えると『ドキュメンタル』の大健闘がお分かりになるはずです」
番組の内容は、実のところ「笑ってはいけないシリーズ」(日本テレビ系列:2003年~現在)に酷似している。
「『笑ってはいけない』は番組スタッフの仕掛けで、松本さんや浜田雅功さん(55)を笑わせます。『ドキュメンタル』も、笑ったらダメというルールは同じですが、こちらは芸人同士が互いを笑わせようとバトルを展開、松本さんは審判役として番組を進行するというところが違うといえば違います」(同・制作スタッフ)
シリーズの共通設定は、毎回10人の芸人たちが自腹で100万円を支払って参加。テーブルや椅子、キッチン、トイレやシャワーが完備された“密室”の中に閉じこめられ、互いのプライドを賭けて笑わせ合う。
堪えきれずに笑ってしまった場合は、レベルに応じて、イエローカード、オレンジカード、レッドカードが出される。番組の進行と共に脱落者が増えていき、最後に残った1人が総額1000万円を獲得するという流れだ。
「日テレ側は『企画が酷似している』と抗議したいのが本音でしょう。ただ、制作を行った吉本側は事前に日テレへ、『芸人が芸人を笑わせるという企画』であり『松本人志の中では差別化できている』と予防線を張ったため、『ドキュメンタル』の制作を止めることができなかったと聞いています」(同・制作スタッフ)
逆に日テレが「ドキュメンタル」を制作・放映することは、絶対にできないだろう。近年の地上波は、視聴者のクレームを恐れる。抗議の声に番組が終わることも珍しくない。そして、この「ドキュメンタル」は、“俗悪番組”の要素が極めて強いのだ。
何しろシーズン1から宮川大輔(46)が肛門を露出。シーズン2では小峠英二(42)が全裸になった上、股間を掃除機に吸われて悶絶する場面が配信された。
ネットなので規制が厳しくない。まるで“下ネタこそが最大のセールスポイントだ”と言わんばかりに、シーズン4では井戸田潤(46)が局部を露出したまま放尿したり、シーズン6では女芸人のゆりやんレトリィバァ(28)が力士に扮して上半身は完全に裸になったり、まさにやりたい放題なのだ。
Google検索で「ドキュメンタル」と入力すると、場合によっては「下ネタばかり」という第2検索ワードが示されることがあるほどだ。
「『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日テレ系列:日曜・午後11時25分~午後11時55分)は、松本人志さんが自ら考えた企画を放送しています。ところが、ここ数年、松本さんが考えたネタやアイディアを、日テレ側が『地上波では難しい』と難色を示し、ボツになることが増えているそうです。これも松本さんがAmazonプライム・ビデオで番組を制作した理由の1つでしょう」(同・制作スタッフ)
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