OB、学生の声から知る「グローバル学部」の実情 気になる就職先は…
流行りの「グローバル学部」選ぶならどこがお得か?(2/2)
世の“意識”の高まりに従う格好で、近年、「グローバル」や「国際」を冠する学部や学科の新設が各大学で相次いでいる。前回紹介したのは、早稲田、上智、国際基督教大学(ICU)の各学部の特徴について。教育ジャーナリストの小林哲夫氏が「学部の名称だけでは、そこで学ぶ内容が判断しにくい」と説く、各校・学部の中身についてお届けしよう。
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“グローバル学部”ブームの火つけ役とされるのは早稲田の国際教養学部だが、MARCHでは2008年に法政のグローバル教養学部が設立されている。東進ハイスクールを運営するナガセの市村秀二広報部長は以下のように説く。
「定員100名と国内最小規模の学部で、ほとんどの授業は少人数かつ英語で行われます。プレゼンテーション、レポートや論文執筆も英語で行う英語イマージョン教育も特徴。学際的アプローチをすべく、一般教養と専門科目の区別は廃止され、2年次か3年次に米英、カナダ、ニュージーランドの各協定大学で4~10カ月、正規の授業を学ぶプログラムもあります」
いわゆる、「関関同立」についても挙げてもらうと、
「11年設立の同志社グローバル・コミュニケーション学部には、関関同立の他大学とのダブル合格者のうち、全学部合わせても100%が進学しました。1年間の留学が必修で、英語コースでは米英など5カ国15校から留学先を選びます」
慶應には国際やグローバルとつく学部がない。該当する学部はどこだろう。
「SFC(湘南藤沢キャンパス)の、特に総合政策学部でしょう」
と言うのは小林氏。市村氏が補足する。
「SFCは創設以来、多様な外国語プログラムを提供し、世界中の100の大学との間で実施している交換留学制度なども充実。11年9月には、必要な単位が英語のみで修得可能なプログラムも開設されました」
とまれ、これだけグローバルに需要があれば、国公立大学も傍観してはいられないようで、
「千葉大は16年、国際教養学部を作り、東京外語大も今年4月、新たに国際日本学部を開設します」
と大学通信常務取締役の安田賢治氏は言う。それでも駿台教育研究所進学情報事業部長の石原賢一氏によれば、
「私立のほうが、時代のニーズに合わせようとするフットワークが軽かった。いまのところ、私立が圧倒的にリードしています」
そんななかで、早稲田の国際教養と同じ04年、秋田市に設立された国際教養大学を覗いてみたい。
「学生の出身地は公立では珍しい全国区で、秋田からは13・8%のみ。入学後1年間は寮生活が必須となります。また、すべての授業が英語で行われ、都会から離れて国内留学しているかのよう。最低1年の海外留学も義務づけられ、早稲田の国際教養とのダブル合格者も、60%が国際教養大に進学しています」(市村氏)
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