明石市長“火を付けてこい”発言で議論百出 朝のワイドショーは公平に報道したか

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ひたすら市長を責める「ビビット」

 TOKIOの国分太一と女優の真矢ミキ、そして元NHKの堀尾正明アナがMCの同番組では、冒頭からいきなり女性リポーターの直撃シーンが流される。

「なぜ、再出馬しようというところに行くんですか?」

 問い詰める女性レポーターの質問に、顔を紅潮させ表情も硬直して恐縮しきりの市長にナレーションが被せられる。

「暴言問題の真相に迫りました」

 前出の暴言音声と記者会見での謝罪が流され、女性リポーターが拡幅工事の行われている国道から工事の概要を説明すると、またもや暴言音声が流されてナレーションが入る。

「『ビビット』は和泉市長に“恫喝”を受けた男性職員を取材することができました」

“暴言”から“恫喝”に格上げだ。被害者から聞いたのは、暴言の現場は市長室で、市長と職員、そして秘書官の3名で行われたというもの。女性リポーターが付け加える。

「市長室から15メートルほど離れたエレベーターホールにも聞こえるほど大きな声で怒鳴っていたといいます」

 市長の経歴が説明されて、いよいよ直撃である。

女性リポーター:暴言を吐いたという自覚はあったんですよね?

市長:とにかく激高した状況で酷いことを言ったという認識は正直ありました。

女性リポーター:それなのにテープを聞くまで謝らなかったことが、どうしても私、おかしいと思うんですけど。

 頭を下げる市長に、なおもたたみかけるリポーター。

女性リポーター:それは暴言を吐いたという自覚がなかったんじゃないですか?

市長:そう言われればそうだと思います。改めて自分で自分の発している言葉を実際にテープで聞いて、本当に驚いて、お詫びすべきことだと改めて思ってお詫びしました。

 ここにナレーションが入る。

「その後、何を質問しても『自分の責任だ。申し訳ない』と繰り返すばかりの泉市長。その中で市長としての進退について問うと……」

 そこで冒頭の質問である。

女性リポーター:それでなぜ、再出馬しようというところに行くんですか?

 ここでCMである。CMが開けてすぐに続きが見られるかと思いきや、また暴言と会見の様子が再生され、いよいよイチオシらしい進退発言に進むかと思えば、過去に同様の暴言を吐かれたという環境保護活動家の話を挟んで、ようやく女性リポーターの登場だ。

女性リポーター:再出馬しようとする行動自体が、反省していないんじゃないかと捉えられると思うんですよ、世の中からは。

市長:ここは本当に、今回、改めて同じ話になりますけど、昨日テープを聴いて本当のことを言って、自分自身の態度に対して、そこは本当にそうです。大きな声で高圧的に、しかも内容も、本当に許されない。態度も含めてですよ、申し訳なかったと思っています。

女性リポーター:それでなぜ、再出馬をしようというところに行くんですか?

 押し黙る市長に、食い下がるリポーター。

女性リポーター:当選すると思われます?

市長:そこはもう市民の判断です。

 結局、事の経緯はどうあれ、“水に落ちた市長は打て”といわんばかりの直撃取材に終わり、スタジオに返される――。

 国分や真野からの発言は特になく、意見を求められたのはコメンテーターとして出演していた青山学院大学陸上部の原晋監督である。

原:7年間、何もしない職員さんの行動に腹が立ったということは理解できるんですけれども、やはり言っちゃいけない言葉ってたぶんあると思うんです。だから、リーダーシップというよりはパワハラシップになってるンかな、という気がするんですね。例えば、言い回しもあると思います。「建物を燃やすわけにはいかないけど、心に火をつけて仕事頑張れよ!」とかね……。

「ビビット」が迫ったという“真相”とは、結局わからずじまいであった。

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