“利権の島”めぐる黒い疑義 防衛省が「馬毛島」買収に160億円

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 鹿児島県は種子島の西方に浮かぶ馬毛島(まげしま)。かの平和相互銀行が実質所有していた1980年代、自衛隊基地として売却しようと政界工作に勤しみ、20億円が永田町に撒かれた逸話も残る。95年に東京の立石建設の所有となって以降は、立石勲社長(当時)が米軍の離着陸訓練施設の誘致や普天間飛行場の移転受け入れを表明し、政府との間で売却をめぐる話し合いも持たれた。

 かくて利権の島と化した馬毛島に転機が訪れたのは、今年に入ってから。

「今月9日、政府関係者が160億円で土地を買収する最終調整に入ったことが明らかになりました。米軍の硫黄島訓練をこの地に移す方針を示し、防衛省も買い取りに本腰を入れたのです」(政府関係者)

 だが、立石氏が95年に島を買った際の金額は4億円。

 なんと差額は155億超だ。

「立石氏は米軍の誘致に向け、滑走路の建設や維持に140億円ほど投じたと言いますが、それでも莫大な“利ざや”が生まれたのは間違いありません」

 その140億円の調達にあたっては島の土地が担保とされ、将来の国への売却をあてこんで有象無象が金を貸し付けた、なんていう報道もなされた。

「だとすれば、国が支出した金もまた、返済という形で闇の世界へと流れていくことになりかねない」

 そもそも防衛省は当初、購入費用として45億円という試算を出していたが、

「現状では100億以上も跳ね上がっている。一説には200億とも言われる額を提示し続けた立石氏側に譲歩した結果で、菅官房長官は金額についてノーコメントを貫いていますが、試算とのあまりの差に疑義を唱える声は強い。次期国会の焦点に浮上しそうです」

 モリ・カケに続く、マゲにならなければいいが。

週刊新潮 2019年1月24日号掲載

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