“最低でもMARCH”とはいうけれど… 知っておきたい各大学のカラー
少人数教育と面倒見
MARCH最難関は中央法なので、法学部を比較してみる。東進ハイスクールを運営するナガセの市村秀二広報部長は、
「法曹にこだわる人は中央、そうでない人は明治を選ぶ傾向があると思います」
と言って、続ける。
「法曹界を真剣にめざすなら、司法試験で早慶に次ぐ実績がある中央を選ぶのが一般的です。学習環境やカリキュラムなど、大学のサポート体制も充実しています。一方、公務員や一般企業への就職も視野に入れるなら、2年次から五つのコースに分かれる明治も魅力ではないでしょうか」
中央と明治それぞれにも聞いた。まず、中央の星野智法学部長が説明する。
「教育の特徴は五つ挙げられます。第1に、法律学科と政治学科でコース制を導入していることです。法律学科は法律専門職をめざす人のための法曹コース、公務員をめざす人のための公共法務コース、企業コースの三つ。政治学科は公共政策コース、地域創造コース、国際政治コース、メディア政治コースの四つです」
卒業後の進路を見据えたうえで学べるわけだ。
「第2に、基礎から応用への体系的な学習が可能なこと。国際企業関係法学科を含む3学科で、1年次に導入演習・法学基礎演習Aという少人数のゼミが設置され、プレゼンテーションや討論、レポートの書き方を学んだのちに、専門科目に進みます。第3に、実務家による実践的な授業を実施していること。1年次の法曹論や法曹演習では、裁判官や検察官、弁護士が司法の現場を伝え、法曹志望者は最初からモチベーションを高められます。3年次の法曹特講は、弁護士が実務的な観点から指導します」
さらに二つある。
「第4に、『英語で学ぶ日本法科目』をはじめ、グローバル化に対応したプログラムを設置していること、第5に、1年次から4年次まで段階的かつ継続的に、多様なテーマのゼミが設置され、双方向の少人数教育を充実させていることです」
いまの私立大学では、親世代のころがウソのような、きめ細かい指導が行われているようだ。他大学とくらべての強みも尋ねた。
「中大の伝統を受け継いだ実学教育があり、資格試験に強い。法科大学院への進学者は、18年度は判明分が174名で、17年は法学部出身の司法試験合格者が200名近く出ました。国家公務員総合職にも、大学全体で17年度51名、18年度50名が合格、私学では早慶に次いで3位で、その多くは法学部出身者です。同じく一般職の合格者は18年度、私学で第1位でした」
次は、資格試験に強い要因でもあるのだろう。
「実務家の教員が多いことも挙げられます。また、法曹をめざす学生のための課外講座として、法職講座が設置され、その費用は4年間で30万円程度。外部の予備校に通えば1年間で100万円以上かかるといわれ、かなり節約できます」
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