ブータン留学生の「死」が暴いた「深く暗い闇」(上)
2019年1月5日午前7時―——。福岡の日の出は東京より30分ほど遅い。曇天も影響し、周囲はまだ薄暗かった。
JR博多駅から駅1つ隔てた場所にある福岡東公園。目の前が福岡県庁という広い公園だが、土曜の朝とあって、人気はなく静まり返っていた。
この公園で、ちょうど1カ月前の12月5日朝、ブータン人青年の遺体が見つかった。福岡市内の日本語学校に在籍していたソナム・トブゲイ君(享年24)である。警察は死因を「自殺」と判断した。
ソナム君は、ブータン労働人材省が中心となって2017年4月から推し進めた日本への留学制度「学び・稼ぐプログラム」(The Learn and Earn Program)で来日していた。...