「ひふみん」独占インタビュー 無冠「羽生善治」と躍進「藤井聡太」の今後を読む

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藤井聡太は行き詰まらない

 いまの俊英たち、コンピューターにのめり込んでるけれども、今後はぶれますよね。のめり込むというのも、5年続くとも思えないしね。藤井さんについては大器で大いに期待できる。羽生さんと同じように秀才型だから、ぶれません。誰がぶれないかというと、藤井聡太だと思うんですよ。

――ぶれる、とは。

 つまり、私の経験でいうと、“行き詰まるとき”がくる。スランプと行き詰まるというのは違って、何か大きな打開策を超えないと行き詰まりは打破できません。私はまあ知っての通り、キリスト教の信者になって、信仰をもってその行き詰まりを突破したんですよ。

――藤井さんは行き詰まらない?

 彼は一日も早く名人になる、ってことを公言しています。それは藤井さんの強烈な個性だと思います。私だったら一日も早くならなくても、2年後くらいでいいって思う。だってそうでしょ。私なんか、名人になったのは42歳で、最初の名人戦に出たのは20歳ですけれども、一日も早く名人に、トップに、っていう言葉は僕の人生にはない。僕は18歳でなったけれども、彼はやっぱり20歳前後のときにA級八段になっていないとだめですよね、だめっていうよりそうなってて普通ですよね。

――若手を激励しているようにも、“格の違い”アピールをしているようにも読める今回のインタビュー。2019年も“ひふみん節”でお茶の間を沸かせてくれるに、違いない。

週刊新潮WEB取材班

2019年1月18日掲載

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