2019年も“ゆく河の流れは絶えずして…”(古市憲寿)

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「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」。子どもの頃から、この一節で始まる鴨長明の「方丈記」が好きだった。たった30文字足らずで、世界の核心を突いているように思えたからだ。

 河の流れは絶えないが、その流れをなす水はどんどん変わっていくというのは、様々な事象に当てはまる。

 たとえば毎朝、駅前では会社や学校を目指す人々がせわしなく行き交う。しかしおそらく彼らは100年前にはこの世界にいなかったし、100年後も生きてはいないだろう。...

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