原宿竹下通り無差別殺傷計画 “奇行”が目撃されていた「元旦テロリスト」容疑者

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原宿竹下通り暴走「元旦テロリスト」に化けたイカレ男の履歴書(1/2)

 年が明けてわずか10分後に原宿の竹下通りで次々と人をはねた男は、「火炎放射器」を使っての無差別殺傷計画を立てていた――。事件を起こす前から、その奇行を心配する声が周囲で上がっていた日下部和博容疑者(21)。イカレ男の凶行は、なぜ未然に防げなかったのか。

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「テロ事案発生!」。慌ただしいやり取りが警察無線で交わされたのは、年が明けてすぐのことである。概要を把握した警察庁幹部が抱いた感想はこうだ。

“やられた”――。

「平成最後の年越しを祝うカウントダウンイベントが行われた渋谷駅周辺には厳重な警備体制が敷かれていましたが、毎年、初詣客でごった返す明治神宮周辺は例年通りの体制。その近くの原宿・竹下通りに車で突っ込んだということで、警察当局は当初、“ローンウルフ型の一人テロリストに警備体制のスキを突かれた”と、かなり緊迫した雰囲気に包まれていました」(捜査関係者)

 事件後、警視庁公安部の幹部が相次いで原宿署を訪れたことからも、いかに当局が事態を深刻に捉えていたかが分かる。しかし、そうした雰囲気は時間が経つにつれて薄れていったという。理由は単純明快。犯人の日下部和博容疑者が取り調べの場で意味不明の供述をするなど、“おかしな奴”だということが徐々に明らかになってきたからだ。

 日下部容疑者が運転するレンタカーが明治通りを右折して竹下通りに侵入したのは年が明けたばかりの1日午前0時10分頃。車は歩行者の男性8人を背後から次々とはね、通り沿いのビルに衝突して停止。車を降りた日下部容疑者は通行人を殴った上で逃走したが、その約20分後、身柄を確保された。はねられた8人のうち、19歳の大学生は左硬膜下血腫で意識不明の重体。他に4人が頭部骨折などの重傷を負った。

 身柄確保の際、日下部容疑者の体からは灯油の臭いがしたという。さらに、

「車の後部座席には灯油20リットルが入ったポリタンクと、ケルヒャー製の高圧洗浄機がありました」

 と、社会部デスク。

「洗浄機のノズルの先端には点火用の器具が粘着テープで取り付けられており、日下部は“火炎放射器にして人を燃やそうとした”と供述しています。しかし、事件前の31日午後11時頃、明治神宮近くの路上に停めた車内で洗浄機で灯油を吸い上げて噴射しようとしたが、うまくいかず、自分の体にかかってしまった。で、車で突っ込むという方法に変更したのです」

「火炎放射器」で初詣客を次々と焼く。それが実行に移されていたらどうなっていたのか。考えると戦慄せざるを得ないのだ。一方、

「なぜ無差別殺傷事件を計画したのかという動機はまだ分かっていません。本人は“死刑制度に反対するためにやった”などと話しているものの、その場の思い付きで喋っているような感じで信用できない。いずれにせよ、思想的な背景はないと見られています」(同)

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