広瀬すずの「ぐだぐだ」紅白司会と本当の問題点
紅白歌合戦は嫌いじゃないけれど、曲間に挟まれる三文芝居がいつもいたたまれない。司会者と出場者たちがコントじみたかけ合いを繰り広げるあれ、やっている側もみな気まずそうな作り笑顔をしているが、どのあたりの層に好評なのだろうか。と思いながらも結局昨年末も見てしまった。
「平成最後」をうたい文句に、様々なアーティストの大盤振る舞いだった2018年の紅白。米津玄師の初出演や、ユーミンのまさかの登場、サザンオールスターズが大トリと見まがうお祭り騒ぎも含めて、前年よりも高視聴率をたたき出し、おおむね好評を得たようだ。
そうした中で賛否が分かれたのが紅組司会の広瀬すずだろう。今年4月からの朝ドラ主演ということで、弱冠20歳で抜擢された。
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バラエティ番組での失言が多かったことから、天然とも炎上女王とも言われた広瀬。今回の紅白では失言はなかったようだが、欅坂46を乃木坂と言い間違えたり、紹介途中で曲が始まったり噛んでしまったりと、苦戦したようである。初々しい、と見た人もいれば、司会失格と見た人もいるであろう。
本人も事前の会見では、「フレッシュさ全開で頑張る」と意気込みを伝えていた。結果、良くも悪くも「青さ」が出た初司会ぶりだったと言えるのではないか。とても意地悪な見方をすれば、「幼さ」を武器に「つたなさ」をカバーする、という戦略もあるだろう。まだ若くて経験不足なもので、至らない所もあったでしょうがすみません。そういうエクスキューズは成立しやすい。
ここで比較したいのが、1996年に19歳で紅組司会を務めた松たか子である。史上最年少司会であり、同年に「ロングバケーション」で月9ドラマ出演したばかりと、広瀬より年齢も場数も下であった。しかし、今見返すと実にしっかりした進行なのである。広瀬のチャームポイントでもあるふにゃふにゃした口調と比べ、松は始終はきはきと話し、噛むことも目線が泳ぐこともない。審査員の大石静に「お父様の10代の頃の舞台も見ておりました」と言われ、「恐れ入ります、伝えておきます」と簡潔に返して曲紹介に戻る。当時広瀬よりも年下だったとは思えない堂々たる司会ぶりなのだ。
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