塀の中から「ゴーン」が証拠隠滅した重要ファイル 日産は特捜部に不信感

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特捜部への不信感

「証拠隠滅」というゴーンの反撃を許してしまったこともあり、日産は特捜部に対して、拭いがたい不信感が芽生えているという。

「そもそも、日産としては、会社を食いものにしているゴーンの銭ゲバぶりを特捜部に暴いて欲しかったのです」

 とは、司法担当記者である。

「そのために、社内調査を極秘で進め、パリやリオ、ベイルートなどに豪華住宅を用意させて家族を住まわせたり、数千万円の家族旅行代を負担させたりしていることなど犯罪的な私的流用の情報を特捜部に持ち込んだ。でも、特捜部はそれには手を付けず、現地に出向いて豪華住宅を調査することもなかった。挙げ句、ゴーンに証拠隠滅まで許してしまったわけです」

 しかも、国際世論を中心に、カリスマ経営者であるゴーンの拘束が長過ぎるなどと日本の刑事手続きに批判が集中する始末。

 日産の関係者によれば、

「ですから、日産としては、ゴーンの調査報告書を一刻も早く公表したいのです。そうすれば、いかに会社の私物化をあくどく行っていたかを白日の下に晒すことができるからです。ところが、捜査に支障が出るからと特捜部からストップをかけられている。それにも、日産の社内では不満が噴出しているのです」

 日産・検察連合に亀裂が生じているというのだ。

週刊新潮 2019年1月3・10日号掲載

特集「死闘になった『ゴーン』vs.『特捜部』7つの謎」より

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