日テレ「箱根駅伝」が史上最高視聴率 ライバル局は再放送でお茶を濁して“試合放棄”

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箱根の山は天下の険

「1月2日、3日というのは、日テレの怪物番組『箱根駅伝』があるのです。朝7時から14時頃まで放送され、毎年30%近い視聴率を稼ぎますから、他局は何をやってもお手上げ状態。大金をかけて新番組を作るのはバカバカしいと、ここ数年は完全に白旗を揚げて、再放送に切り替えてきました。今年はその諦めが顕著に表れましたね」(前出・民放プロデューサー)

 1月2日、箱根駅伝・往路の放送が始まる朝7時――。テレ朝は6時55分から「『おっさんずラブ」全話一挙放送SPだお』の放送をスタート。

 TBSは9時より「アンナチュラル」の全話一挙放送の第3部(第1部は大晦日12時~16時30分、第2部は元日14時30分~17時30分の変則編成)。その後に、この日の夜に放送する「下町ロケット・特別編」の番宣を1時間挟んで、12時からは「義母と娘のブルース」全話一挙放送の第1部を3時間半という編成で応じた。

 フジテレビは駅伝の始まる1時間前、つまり朝6時から13時半まで、「有吉くん正直さんぽ」の総集編(一部新作)を7時間半にわたって放送するという、もはや清々しいほどの諦めっぷり。

 テレビ東京は9時から「出川哲朗の充電させてもらえませんか?SP」を2時間半。11時半からは「開運なんでも鑑定団」の再放送という具合。

 そして3日の箱根駅伝・復路が始まる朝7時――。前日同様、テレ朝は6時55分からレギュラーの「激レアさんがやってきた」の名作選なのだが、わざわざ“駅伝”をくっつけて「新春!激レアさん 駅伝~名作激レアさんを一挙6時間大放出SP~」をスタート。さらに復路がゴールする時間帯には「新春“相棒祭り”」をぶつけた。

 TBSは前日に続く時間帯無視の変則編成で、「義母と娘のブルース」の第2部を9時~16時まで放送。

 フジは朝6時から「路線バスで色の宝庫SP」を3時間。9時からは「HERO Season2」の1話と2話を一挙放送。

 テレ東は8時50分から14時半まで「ローカル路線バス旅 あの懐かしの名作一挙放送しちゃうよSP」だった。

 その結果、日テレは、2日の往路が30.7%、3日の復路が32.1%という脅威の高視聴率となり、87年の中継開始以来、史上最高の視聴率を記録したのである。

「各局とも、真っ向勝負を避けたというより、試合放棄といった編成でしたね。1日7時間もの駅伝を、どれほどの人が、一時も目を離さずに見ているのかはわかりませんが、すごい数字です。それでもかつてなら、テレ東の12時間ドラマ『新春ワイド時代劇』や、梨元勝さん(1944〜2010)のハワイからの芸能人中継(テレ朝)など、箱根駅伝には及ばずとも、それぞれの局が午前・午後を問わず、正月らしい番組を作って放送したものです。いまは予算も少ない時代ですから仕方がないとはいえ、寂しい限りですよ」(同・民放プロデューサー)

 さて、来年は日テレ以外の民放はどうする?

週刊新潮WEB取材班

2019年1月6日掲載

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