日本で稼ぎたい放題の「GAFA」 太刀打ちできるか公取委
今年の新語・流行語大賞に選ばれたのは、女子カーリングチームの「そだねー」である。これが、最近の世相を反映しているかどうかはさておいて、賞にノミネートされた言葉の中に「GAFA」があったのは、IT技術で負けっぱなしの我が国の実情を映し出していると言えようか。
GAFAとは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字を並べた呼称。4社に代表される巨大IT企業のサービスや商品が、すっかり浸透しているのはご存じのとおり。クリックするだけで翌日には欲しい品物が届き、「いいね!」を押せば、簡単に友人が出来る。「スマホで検索」は当たり前だ。
こうしたIT企業は“社会基盤”と言っても良い存在だから、「プラットフォーマー」と呼ばれている。だが、彼らは公務員ではない。一皮めくれば相手から搾れるだけ搾り取る強欲な顔を持っているのだ。
政府(経産省、公正取引委員会、総務省)の有識者会議が「プラットフォーマーを規制するべき」との報告をまとめたのは12月12日のこと。それによると、近年、巨大IT企業の弊害が無視できないレベルになっているのだという。
「問題は彼らが膨大な個人情報を独占していることなのです」
とは、ITジャーナリストの井上トシユキ氏だ。
「たとえば、フェイスブックは、交流サイトを通じて22億人以上のユーザーを持っていますが、70回『いいね!』を押すと彼らにはユーザーの国籍や性別が分かり、150回押せば、配偶者より好みや性格まで分かると言われています。そうした個人情報は、ターゲット広告などに使われる。また、アマゾンやグーグルも、利用者が検索を繰り返すことで集まる膨大な顧客情報を保有しています。日本の事業者は巨大IT企業に依存せざるを得ず、不公平な取引でも断れなくなるのです」
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