「相棒」66歳、「下町ロケット」54歳、「リーガルV」43歳…ドラマ主役に高齢化の波
2018年秋ドラマの主役たち
今の連続ドラマは、主人公が高齢化しすぎてないか?
テレビ業界では視聴者の性別や年齢などの構成を示す用語として、F1層(20~34歳の女性)、F2層(35~49歳の女性)、F3層(50歳以上の女性)というのをご存知の方も多いだろう。同様に、男性の場合はM1、M2 、M3層となる。これを1層(20~34歳)、2層(35~49歳)、3層(50歳以上)として、ドラマの主人公たちに当てはめてみよう。
今期の視聴率トップは「相棒」(テレビ朝日系)だが、主人公の水谷豊は66歳の高齢者だ。2位「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(テレビ朝日系)の米倉涼子43歳は若い方。3位「下町ロケット」(TBS系)の阿部寛は54歳で3層(男女50歳以上)に入る。4位「科捜研の女」(テレビ朝日系)の沢口靖子も53歳で3層。5位「SUITS」(フジテレビ系)の織田裕二も50歳だ。なんとトップ5の平均年齢は53.2歳で、やっぱり3層となっていた(いずれも放送開始時の年齢)。
実はトレンディドラマが一世を風靡した90~2000年代は、高視聴率ドラマの主人公は20~30代が大半だった。ところが今や40~60代が幅を利かせている。これでは若者がテレビ離れするのも止むなしといった感じだが、なぜこんなことになっているのかを考えてみた。
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この秋にGP帯(19時~23時)で放送された民放ドラマでは、トップ5以外にも「駐在刑事」(テレビ東京系)の寺島進が54歳、「黄昏流星群」(フジテレビ系)の佐々木蔵之介が50歳、「ハラスメントゲーム」(テレビ東京系)の唐沢寿明が55歳だった。
つまり14本中の半分が3層の主人公で占められた。そして2層(男女35~49歳)が2本で、1層(男女20~34歳)は5本に留まった。
その1層は「大恋愛~僕を忘れる君と」(TBS系)の戸田恵梨香30歳、「今日から俺は!!」(日本テレビ系)の賀来賢人29歳、「獣になれない私たち」(日本テレビ系)の新垣結衣30歳、「ドロ刑-警視庁捜査三課-」(日本テレビ系)の中島健人24歳、「中学聖日記」(TBS系)の有村架純25歳だ。
しかも5本の平均視聴率は8.9%。2桁に達したのは10.1%の「大恋愛」だけ。2層と3層によるトップ5の平均は13.5%で、その差は3.4%。今や若者が活躍するドラマは数字がとれないようだ。
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