ブーム終焉「ビットコイン」で、それでもカモにされる“出川組”という人々
カモにされ続ける「出川組」の人々
しかし悲しいことに、「出川組」なる素人プレーヤーのなかには、今もなお“カモ”にされ続けている人も少なくないという。
「最近、金融トレーダーの間では、自分がどれだけ儲けたかの総利益グラフをツイッターで公開するのが流行っていて、儲かっている金融トレーダーが開催しているオンラインサロンには、ノウハウを学ぶために“信者”が集うという図式が完成しています。『出川組』のなかでも、まだ淡い期待を寄せて市場に残っている人が、こうしたサロンビジネスのいいカモになっているのです」
仮想通貨のテクニックを教えるサロンのなかには、月会費3万円という強気な料金設定のものも存在する。あのホリエモン(堀江貴文[46])のサロンですら月額1万円(税別)で1500人前後の会員数にとどまっているのに対して、人気のトレーダーのサロンはメンバーが4000人を越えるものもあるという。3万円×4000人の単純計算で、月収1億円を越えるわけだ。オンラインサロンがいかに美味しい商売かわかるだろう。
「もちろん、そういった有名トレーダーの手法は、きちんとした実績に基づいたもので信用に足りるとは思います。ただ投資に正解はないし、残念なのは『出川組』と呼ばれるような素人は、結局ノウハウを完全に真似することができず、中途半端な手法に打って出て損をしてしまう例が多いことです」
素人はとにかくレシピ通りに料理を作れ、とよくいうが、「出川組」の人々は技術や知識を持ち合わせていないにもかかわらず、レシピの途中でオリジナルの理論を作り始め、それによって失敗してしまうことが多いという。結果、ただ高い月会費を払ってオンラインサロンに搾取され、終わってしまうわけだ。
では「出川組」がカモにされずに、仮想通貨の世界で勝つことは難しいのだろうか?
「自分のなかの正攻法を見つけ出すまでは、謙虚に人の真似をしていくしかないと思います。人の真似をしている間は、大きな儲けは期待できませんが、そのなかで学んで、知識を蓄えるしかありません」
こうしたサロンこそ盛況だが、ビットコインの暴落で、多くの投資家、そして関連企業が痛手を負った。大山氏のアプリ「ぴたコイン」も影響を受けたという。
「1年前はアプリランキングの上位に、ビットコイン関連のものが並んでいましたけど、今は見る影もないですね。仮想通貨コンテンツを配信しているサイトは、PVが極端に減ったと嘆いていました。なにより、仮想通貨の広告が規制対象になったことが、かなり痛いです。ビットコイン関連の企業は少なからず、どこも損失があると思います」
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