年の瀬に「2018年連続ドラマ」を振り返る ベスト&ワースト3を発表(中篇)

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裏・ワースト1位とは

アナ なるほど。では次に2018年……

林 ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルッ!

アナ ワースト3の発表は終わったのに、何のためのドラムロールですか?!

林 2018年に連ドラ枠で放送されたブツの中でホントのホントに最低中の最低だったとワタシが考えてるのは、実は「Missデビル」じゃありません。

アナ えっ……じゃあ何なんですか?

林 同じ日テレ系7~9月期にやった「ゼロ」!

アナ ええっと……日曜夜10時30分からの「日曜ドラマ」枠で、NEWSの加藤シゲアキさん主演の「ゼロ 一攫千金ゲーム」ですか。平均視聴率は6.62%でしたから、成功作とは呼べませんが、「最低中の最低」なのにワーストのトップ3に入らない理由は?

林 アレをドラマだとは考えていないからです!

アナ それはまた一体どうして。

林 そもそも日曜ドラマという枠からして、大手の芸能事務所が売りたい役者を主演に据えてやるキャスティングこそが命で、脚本や演出は二の次、三の次の枠。面白い作品、当たる作品が出てきたことがないでしょ。

アナ 確かに。

林 そういう枠にジャニーズ事務所が初めて主演を送り込むことになって、その役者というのが実績の薄い加藤、しかもゲームに挑む漫画の世界をドラマ化するなんていうテキトー企画だとなれば、ドラマ未満の何かができあがってくることは、見るまでもなく予想がついたし、放映が始まっても予想に違わない中身でしたよ。

アナ 確かに不評が目立ちました。

林 ま、あのくらい酷いブツで底を打ったからこそ、あの日曜ドラマ枠にもイイ作品が出てくるようになった。そんなふうにでも考えない限り、「ゼロ」の関係者は浮かばれないだろうなぁ。

――とここで、またまた時間切れ。ベスト3はまた次回で。

林操(はやし・みさお)
コラムニスト。1999~2009年に「新潮45」で、2000年から「週刊新潮」で、テレビ評「見ずにすませるワイドショー」を連載。テレビの凋落や芸能界の実態についての認知度上昇により使命は果たしたとしてセミリタイア中。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月30日掲載

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