新幹線でたこ焼きも豚まんも食べられない!? 「不寛容」な「ギスギス社会ニッポン」

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「不寛容」な「ギスギス社会ニッポン」――窪田順生(1/2)

 出張を終えた新幹線の車内で、缶ビール片手に豚まんをほおばる。至福のひと時である。だが、そんなささやかな楽しみも奪われかねない。匂いが強いからと……。他者に不寛容なギスギスした社会に、ノンフィクション・ライターの窪田順生氏が警鐘を鳴らす。

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 今年放送のドラマ「獣になれない私たち」(日本テレビ系)を手掛け、「逃げるは恥だが役に立つ」の脚本家としても知られる野木亜紀子氏が、主演の新垣結衣や松田龍平が参加したトークイベントの様子をSNSに投稿したところ、「謝罪」に追い込まれた。原因は、写真に添えた「くじ運の良い人たちの集まり」という言葉だ。抽選に当たった人たちが参加するイベントなので何も間違ったことは言っていないが、抽選に外れたと思われる人から「イラッとする」という批判が寄せられたのだ。結果、前述の「謝罪」へとつながったのである。このような些細なことにキレる人たちによる「騒動」が最近増えている――。

 7月31日、お笑いコンビ「NON STYLE」の石田明が自身のブログに綴った「憤り」が大きな話題となった。その発端は、妻が双子の赤ちゃんをベビーカーに乗せてスーパーへ行き、会計のためにレジで並んでいたところ、後ろの中年女性からこんな文句を言われたことだ。

「もうちょっと前行けないの?」

 双子用ベビーカーは通常のものよりひと回り大きいため、レジ前の通路をスムーズに通ることができない。そのもたつき具合に中年女性はイラついているようだった。そこで妻が謝罪すると、女性は「チッ」と舌打ち。結局、通ることができず、ベビーカーをバックさせてレジを回り込もうとする妻に対し、さらにこんな罵声を浴びせたという。

「ねぇ? いつもこんな事をしているの? 人の迷惑って考えた事ある? そうやって双子で迷惑かける事分かってるんだからもう少しあたま使いなさいよ! 買い物する時すら預ける人いないの? 頼るところもないのに産むからこうなるのよ!」(原文ママ)

 この一連の出来事を「いくらなんでもひどくないですか?」と石田がブログでぶちまけたところ、同情や擁護の声とともに、「不寛容過ぎる」「大人として恥ずかしい」とこの中年女性に対する批判で溢れかえったのだ。

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