ファーウェイ・ショック、日本にもいる中国の“技術流出計画”スパイ
世界同時株安をもたらした「ファーウェイ・ショック」。そこから垣間見えたのは虎視眈々と他国の科学技術を狙う中国と、我が国のガードの甘さだった。
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経済部記者によると、
「日本ではiPhoneがスマホ市場を席巻していますが、世界シェアに目を向ければ、ファーウェイはすでにアップルを抜き去り、韓国のサムスンに次ぐ第2位へと躍り出ている。その企業の“ナンバー2”が逮捕されたわけで、各国の株式市場が続落しているのも頷ける話」
カナダのバンクーバーで逮捕されたのは、ファーウェイの孟晩舟副会長。対イラン制裁に違反した疑いが持たれる美貌の副会長は、創業社長の娘でもある。
「この逮捕劇の背景には、アメリカの中国に対する警戒感があります」(同)
実は、アメリカでは以前から中国のサイバー企業による「スパイ活動」に警鐘を鳴らしてきた。2012年に作成された米下院の報告書では、中国のIT企業が中国共産党や人民解放軍と密接に繋がり、スパイ工作にもかかわっていると指摘している。この時、名指しされたのがファーウェイと、同じく通信機器大手のZTEの2社だ。
アメリカに続く格好で、日本政府が政府調達から排除したのは、まさにこの2社の製品である。だが、輸入を制限すれば安全かと問われれば、答えは否である。
すでに我が国の技術と補助金は、「千人計画」という国家プロジェクトに選抜されたエリート中国人に流れているのだ。
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