日産「ゴーン追放計画」舞台裏 カリスマを地獄送りにした「米国人女性本部長」
“ゴーン追放計画”のメンバー
東京地検関係者によれば、
「そのきっかけは、4年前にフランスで“フロランジュ法”が成立したことです。この法律は、企業の株を2年間保有すると議決権が2倍になると定めた。フランス政府はルノーの株を15%保有する筆頭株主ですが、フロランジュ法によって30%相当の議決権を得ることになり、ルノーへの影響力をより強めました」
そして、フランス政府は今年2月、ゴーンにルノーCEOを続投する条件として、日産との経営統合の実行を求めたという。
「早速、ゴーンはその翌月、“開発、生産部門などでの協力体制の強化”を発表し、経営統合へと舵を切りました。そのため、社内には“このままではルノーにのみ込まれてしまう”という危機感が広がった。そもそもゴーンに犯罪的な私的流用があったこともあり、そこから、“ゴーン追放計画”は始まったのです」(同)
「ゴーン追放計画」は情報漏れを防ぐため、西川廣人社長以下、ごく限られたメンバーだけで進められた。
東京地検関係者が続ける。
「ゴーンの元側近2人に、この6月に施行されたばかりで国内2例目となる司法取引が適用されました。うち1人は、マレー系英国人の専務執行役員。ロンドン大学出身で、弁護士資格を持ち、中央大学への留学経験がある。1990年に日産に入って以来、ずっと法務部門一筋でした。外国人であっても日産プロパーで、結局、“反ゴーン派”に加わったのです」
その専務執行役員の右腕が、「ゴーン追放計画」の中核を担ったという。
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