豊洲「ターレ」事故で死亡者第1号 形骸化した交通ルール
10月の開場から2カ月。ついに豊洲市場で死亡者が出た。かねてから危険視されていた、小型運搬車「ターレ」での事故である。東京都は安全性を保証していたはずだが……。新市場には、形骸化した交通ルールしか存在していなかった。
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かつての築地市場からほど近い病院で、70代の女性が亡くなった。12月上旬のことである。事情通が重い口を開いた。
「女性は事故直後に病院に救急搬送されました。脳挫傷のような状態で、運ばれて以来ずっと意識不明のまま息を引きとったのです」
さかのぼること1カ月。女性は、11月15日に豊洲市場内でカーブを走っているときに荷台から振り落とされ、頭などを強打して重傷を負っていたのだ。そして豊洲市場における事故の、死亡者第1号となってしまったのだ。社会部記者の話。
「この女性は、水産仲卸業者の50代の男性従業員が運転するターレの荷台に乗っていました。女性ともう1人が乗っていたのですが、仲卸業者の取引先だったといいます。荷台に乗っていた2人が買い物をするため、市場内を走っていました」
タクシーやバスの代わりにしていた結果、悲劇が起こったわけだが、
「そもそも、ターレは1人乗り。荷台に人を乗せて走行することは禁止されています。だから乗せたほうはもちろん、乗ったほうにも落ち度がある。当然ながら、ふだんから市場で働く人間がやっていいことではありません。所轄の深川署が自動車運転処罰法違反の疑いで当時の状況を調べていました。そんななか、女性は亡くなったのです」
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