何に使った「二階幹事長」 自民党からの「機密費」14億円
政治生命を握る
謎に包まれた政策活動費の使途のうち、
「最も大きな割合を占めるのは選挙対策費です」
そう断じるのは政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。
確かに、昨年10月の解散総選挙に向けて、自民党から二階氏への支出は「激増」。衆院の解散から投開票までのわずか1カ月弱の間に、幹事長にもたらされたカネは5億円を超える。
「選挙ではカネが多くて困ることはありません。活動費を受け取った候補者側はビラを追加発注したり、より詳細な情勢調査を業者に依頼します。違法ですが、スタッフにカネを渡したり、選挙区内で配って票を固めるケースもある」(同)
また、選挙でカネを集中投下するのは接戦区だが、どの選挙区にいくらカネを使ったかが明らかになると党内で軋轢を生む。その点でも政策活動費は都合の良い存在なのだ。他にも、
「かつて、ある幹事長が選挙を仕切った際、選挙後に息子が高級車を買ったので“もしや活動費では”という噂が流れました」(同)
新車購入はともかく、二階氏が選挙に莫大なカネを費やしたことは想像に難くない。加えて、
「二階派には他党の落選議員や、他派閥からのベテラン議員の移籍が目立ちますが、これは二階さんの“面倒見”がいいから。それだけのカネがあれば子飼いの議員の氷代にモチ代、外遊する際の餞別だけでなく、新人候補を口説く際に、資金援助を申し出ることも容易でしょう」(先の記者)
とはいえ、神戸学院大学の上脇博之教授は、
「カネを握れば党内での発言力や影響力も増します。所属議員は幹事長に逆らえば公認をもらえず、しかも、カネも降りてこない。これでは政治生命を握られているのと同じです」
見えないカネが、陰ながら安倍一強を支えている。
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