日露「北方領土」交渉を任された「河野太郎」に“野次”雑言

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〈日露高官協議を新設 平和条約交渉 河野外相訪露へ〉

 こんな見出しが産経新聞の1面トップに躍ったのは今月3日のこと。

 前日にアルゼンチンで会談したロシアのプーチン大統領と安倍首相が、日露両外相のもと、実務者協議の設置を決めたと報じたのだ。北方領土の返還を巡り、コトは順調に進んでいるとも見えるのだが、

「官邸の意向を汲んだ産経の提灯記事ですよ」

 と、外務省関係者はにべもない。

「この記事だけ見れば、外務省主導で北方領土返還交渉が進みだしたかに見えますが、未だにバックチャンネルを握っているのは、官邸の今井尚哉(たかや)首相秘書官なんです。外務省はお飾りに過ぎず、実務者協議も交渉が上手く進んでいることをアピールするための見せ玉(ぎょく)に過ぎない。日本側の担当者である森健良(たけお)外務審議官も、対露交渉の専門家ではありませんしね」

 安倍政権発足以来、外交でも“官邸主導”が進み、対米、対露、対北朝鮮と主要な外交チャンネルを全て官邸に奪われてしまった外務省。もっとも、彼らの不満の矛先は官邸に向かうだけではないと言う。

「河野太郎外相の存在も面白くないんです。昨年8月の就任以来、1年あまりで50カ国以上の外遊を行ってきた河野さんですが、おかげで外務省の予算はカツカツに。職員の出張費まで圧迫し始め、省内では“あれじゃスタンプラリー外交だ”と嘆き節が絶えません。それに、河野さんは、2島返還を盛り込み日ソ共同宣言を成立させた河野一郎農相の孫。4島一括の原則を崩さない外務省からすれば、河野さんが北方領土返還交渉に携わること自体、心配でならない」

 外務省の悶々はまだまだ続きそう。

2018年12月13日号掲載

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