中国で拘束されたカナダ人の正体 「金正恩」「金正日の料理人」と昵懇
中国外務省は12月13日、カナダ人男性2名を拘束したことを会見で認めた。いずれも「国家の安全保障に危害を及ぼす活動に従事した」という容疑である。
その1人が、マイケル・スパバ氏なる人物。時事通信では〈北朝鮮と交流事業を行う非営利団体を運営〉〈デニス・ロッドマン氏の訪朝も担当し、金正恩朝鮮労働党委員長とは「友達」だとされる〉(12月13日配信)と紹介されるが、その“素顔”は……。
昨年、週刊新潮はスパバ氏について、北朝鮮へのツアーを専門に扱う旅行会社「白頭(ペクトゥ)文化交流社」の企画に同行・案内する“謎のカナダ人”と報じ、その肉声を伝えている。(以下データ2017年4月13日号掲載時のもの)
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“近くて遠い国”へと誘うその会社のウェブサイトにはこう書いてある。
〈平壌にて、金正日総書記の専属料理人を務めたかの有名な藤本健二氏の新たにオープンした寿司&ラーメンレストラン“たかはし”を訪れるという旅行ツアーを独自に企画しました〉
直近の旅程は、4月14日から17日までの4泊5日で、費用は約16万円。中国・北京に集合して解散する流れだが、同行案内人の欄には〈マイケル・スパバ〉とある。
で、彼のHPを見れば金正恩党委員長と抱き合う様子を誇らしげにアップしているではないか。
なんでも、北と国境を接する中国東北部に18年間住むカナダ人との触れ込みだが、ここはひとつ、ご当人に話を聞いてみるしかあるまい。
スパバ氏が言う。
「2016年の初め頃、友人の紹介でフジモト・ケンジに会いました。その後、平壌や東京で5、6回会いすっかり意気投合しましてね。彼が平壌でオープンさせたレストランへ行きたくて、せっかくなのでツアーを募集することにしたのです。ちょうど金日成生誕105周年式典の最中ですから、レストランへ行くついでに、北朝鮮の首都見物もしてもらおうと。参加者は日本人が数人で、カナダ人、イタリア人も何人か。その他の国からも来ますね」
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