やっぱり金権野球「原巨人」が落とした「丸佳浩」の競り値

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病床の長嶋から

 これに対し丸の地元の球団、千葉ロッテは、広島を上回る6年総額30億円を提示したが、そこは金権球団には敵わない。巨人は5年総額35億円を提示したというのだ。しかも、

「自ら交渉の場に出向いた長嶋さんと違い、原監督は交渉の場には出て行かないと言われていました。ところが、5年ぶりの優勝が自身のノルマだと痛感している原監督は、丸との交渉にかぎって、自ら出ていって口説いたのです」

 と、先の巨人担当デスク。それに加えて、野球評論家の張本勲氏によれば、

「巨人くらいの好条件を出せるとしたらソフトバンクでしょうが、球団会長の王(ワン)ちゃんに“なんで(獲りに)行かなかったの”と聞いたら、“うちピッチャーに重心を置いてるんだ”と言ってましたよ。また、丸と同じ千葉出身の長嶋さんが“戦力になってくれないか”という手紙を出したらしいです。そりゃあ、この年俸を提示されて、長嶋さんから手紙までもらったら、決心もついたんじゃないでしょうか」

 加えて張本氏は、

「マネーゲームになったら、そりゃ巨人には敵わない」

 と言うが、たしかに、破格の35億円と病床の長嶋さんからの手紙があれば、選手獲得に関しては“常勝”だろう。それでも先の広島担当記者は、

「若手も育っていて、丸がケガした時期に外野を守った松山もいるし、菊池も田中もいますからね」

 金権の“常勝”が試合の“常勝”につながるとは限らないのが世の常でして。

週刊新潮 2018年12月13日号掲載

ワイド特集「色即是空の年忘れ」より

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