ゴーン事件第二幕 “本丸”特別背任での立件は困難? 私的流用に“盗人にも三分の理”の反論
ゴーンの言い分
検察の筋立てについて、むろんゴーンが「ウィ!」と従うワケもない。
「彼の怒りは沸点に達していますよ」
とは、さる事件関係者。
「新聞などが差し入れられ報道の内容を把握している。そのほとんどが事実と違う、と激昂しているのです」
逮捕容疑である金商法違反について、「まだ確定した取引ではない」としていることは述べたが、その後、次々と報じられる「私的流用」疑惑についても逐一反論しているのだ。
日産に対し、
〇個人的投資で損した17億円を転嫁した
〇姉に年間約1120万円のコンサル料を支払わせた
〇レバノンなど世界各地の不動産を買わせ、個人の邸宅として使用した
などの疑惑だが、
「損失の付け替えについては、日産が報酬を円建てでしか支払ってくれなかったことが原因だ、と述べています。自分はドルやユーロに替えて使うことが多いため、為替ヘッジのためにデリバティブ取引をしていた。しかし、リーマンショックによる円高の影響で損失が生まれたので、その分を肩代わりしてほしいと日産に申し入れた。西川社長も臨席の上、それが検討されたが、結局は締結されなかったのだ、と」(同)
姉についても、彼女はリオの商工会議所会頭で、工場進出の相談に乗ってもらっていた。レバノンの豪邸も、同地は中東で一番気候の良い国。アラブ人のディーラーを連れていくと喜ぶので、商談の場として使っていた――などと主張しているという。無論、これらの主張の真偽はわからないが、
「日産はもちろん、検察のマスコミへのリークに対しても、国家公務員法違反じゃないか、と激怒しています」(同)
両者のミゾが果てしなく深いことだけは確かである。
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