「アパート経営」融資で金融庁から睨まれる「西日本シティ銀行」

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元財務官僚の頭取

 シノケンとの関係強化で融資実績を伸ばしてきた西日本シティ銀行。しかし、“かぼちゃの馬車”を運営していたスマートデイズの破綻後、風向きが怪しくなっている。全国紙の経済部デスクの解説では、

「金融庁は10月5日にスマートデイズのメインバンクだったスルガ銀行へ半年間の一部業務停止命令を下しているし、融資資料改竄が発覚したTATERUのメインバンクの西京銀行にも立入検査を行う方針です」

 金融庁は、投資用不動産でトラブルが続出していることで、HP上でも注意を喚起している。

「週刊新潮の記事が出た後、金融庁から西日本シティ銀行に事実確認の電話があったと聞いています」(同)

 目下、シノケンのオーナーから被害の声は聞こえてこない。が、金融庁はシノケンに万が一が起きたら、“かぼちゃの馬車”を大きく上回る被害額になると考えているようだ。そこで10月に全国の金融機関へ“投資用不動産向け融資に関するアンケート調査”用紙を配布し、銀行の融資実態の把握に動いている。ある地銀幹部は苦笑しながら、

「そのアンケート結果を基に、金融庁は頭取に直接ヒアリングを行います。金融庁の検査官が、西日本シティ銀行の谷川弘道頭取に対してどんなことをいうのか見物です」

 というのも、東大法学部卒の谷川頭取は元財務省のキャリア官僚なのだ。

「谷川さんの最終ポストは大臣官房審議官で、金融庁検査局への出向経験もある大物官僚でした。金融庁長官の遠藤俊英さんの6年先輩にあたります」(同)

 これまでノーコメントを繰り返してきた、西日本シティ銀行広報文化部に融資姿勢を聞くと、

「ご回答は、差し控えさせていただきます」

 大先輩が頭取とはいえ、金融庁に“ノーコメント”が通用するはずがない。

週刊新潮 2018年12月6日号掲載

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