「下町ロケット」出演者の“非俳優率”は21.7% TBSの新キャスティング戦略とは
主戦場は「日曜劇場」
民放キー局のドラマ制作スタッフが「今、TBSが放送している『下町ロケット』に、俳優以外の人が何人、キャスティングされているか、数えたことがありますか?」と訊いてきた。
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公式サイトに飛び、「キャスト&スタッフ」を閲覧してみた。表示の順に従ってピックアップすると、以下のような具合になる。
◆芸人
【1】今野浩喜(39)[キングオブコント]※2015年に解散
【2】坪倉由幸(41)[我が家]
【3】イモトアヤコ(32)
【4】内場勝則(58)[吉本新喜劇座長]
【5】今田耕司(52)
【6】恵俊彰(53)[ホンジャマカ]
【7】立川談春(52)
その他にも、今は俳優としてのイメージが強くとも、過去はコメディアンだったという面々も出演している。
モロ師岡(59)もコメディアンとして名を馳せ、中本賢(62)もコミックバンド「ザ・ハンダース」の元メンバー(当時の芸名はアパッチけん)で、バンド解散後に俳優に転向。木下ほうか(54)も吉本新喜劇に数年、在籍した過去を持つ。
◆アナウンサー
【1】福澤朗(55)[元日本テレビ]
【2】古舘伊知郎(63)[元テレビ朝日]
◆ミュージシャン
【1】吉川晃司(53)
公式サイトには主役の阿部寛(54)から杉良太郎(74)まで46人の配役が記載されている。そのうち「非俳優」は10人で、21.7%。最多は芸人で7人となり、15.2%という割合になる。
「実は“俳優以外”という言葉も様々なニュアンスがあり、例えば視聴者は歌舞伎役者がテレビドラマに出ると、それなりの意外性を感じてくれます。大成功を収めたのが同じTBSの『半沢直樹』に出演した片岡愛之助さん(46)です。今回の『下町ロケット』にも尾上菊之助さん(41)、中村梅雀(62)さんが出演しています」(同・制作スタッフ)
今回の「下町ロケット」は農業もテーマだ。そのため、近年は農業タレントとして注目を集めていた工藤夕貴(47)を敢えて起用したという。舞台経験があるとはいえ、古舘伊知郎と福澤朗も意外性を狙って配役されている。
だが、何よりも目を奪われるのは、お笑い芸人の突出ぶりだ。一大勢力と言っても大げさではない。前出の制作スタッフは「TBSはお笑い芸人をドラマにキャスティングするメリットを『半沢直樹』で学びました」と指摘する。
ご存知の通り、『半沢直樹』は同じ日曜劇場で13年に放送。最終回の視聴率は42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という超人気ドラマになった。これに芸人が何人出演しているのか、再び数えてみよう。
【1】笑福亭鶴瓶(66)
【2】松居直美(50)
【3】ラサール石井(63)[コント赤信号]
【4】逢坂じゅん(1945〜2014)[「レツゴー三匹」のレツゴーじゅん]
【5】ダンカン(59)
【6】木下隆行(46)[TKO]
※緋田康人(54)も「ビシバシステム」に1986年から94年まで在籍した元芸人。本作にはモロ師岡も出演している。
こちらも7人。やはり相当な人数だが、よく考えてみれば、リスクはかなりあるはずだ。お笑い芸人は大半がドラマ初出演。演技力が全く予想できない。コントとは似て非なるものであることは言うまでもないだろう。
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