「カルロス・ゴーン」牢獄生活は5年? 守護神に“掟破りの弁護士”

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なぜ監査法人は気づかなかったのか?

 日産の監査を担当したのが、四大監査法人の一つであるEY新日本有限責任監査法人だ。なぜ日産の不正を見抜けなかったのか。

 司法担当記者によれば、

「新日本監査は、ベイルートやリオの豪邸の購入に使われたオランダの子会社『ジーア』については、2011年ころから、『実態が不透明である』と日産に活動内容の照会を繰り返し求めてきました」

 だが、「戦略的に投資活動をしており問題ない」と突っぱねる日産に、強硬に出られなかったというのだ。

「ジーアが連結会計の対象から外されていたからです。連結対象にすれば監査法人の指摘から逃れられなくなるため、あえて外していたのです」(同)

 また今回の逮捕容疑となった有価証券報告書の役員報酬の虚偽記載については、そもそも監査の対象外なのだという。

「将来支払われる報酬について、一部の役員たちの間だけで交わされていた覚書など調査のしようがないでしょう」(同)

 新日本監査は東芝の粉飾決算を見抜けず「ザル監査」と批判を受けたばかりだ。抜け穴だらけの企業監査のあり方を見直す必要があろう。

週刊新潮 2018年12月6日号掲載

特集「新聞テレビでは分からない『カルロス・ゴーン』20の疑問」より

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