危機意識の欠落が生んだ日米情報戦の敗北――「情報と通信」で読み解く太平洋戦争
今から77年前の12月8日、真珠湾の奇襲攻撃によって太平洋戦争の火蓋が切られた。日本の暗号電報が米国に解読されていたという話はつとに知られた話である。米国の諜報部門は読み取った暗号情報を「マジック情報」と呼び、日本の動向を捉える重要なリソースとしていたが、果たしていかにしてこの情報を取得していたのだろうか。
すでに戦争の「結果」を知るわれわれからすれば、その4年に亘る戦いがいかに愚かなものだったのか、批評するだけなら容易なことだろう。だが、戦争とは往々にしてそういうものだ。...