「片岡鶴太郎」息子が個展開催 独り立ちに父も祝福
離婚とかヨガとか、近頃喧(かまびす)しい話題ばかりが多かった片岡鶴太郎氏(63)が、何だかとても充実した表情をしている。
16日、都内のギャラリーで絵の個展「Black&Flash」の内覧会が開催された。ドラゴンや人魚、フェニックスをモチーフに多色使いのアクリル画25点を展示したものだが、作者は荻野綱久氏(32)という新進の画家。彼、じつは鶴太郎氏の息子なのである。オープンに先立ち、プレス向け内覧会にゲストとして鶴太郎氏が応援に現れたのだ。
もともとミュージシャンだった綱久氏だが、
「音楽でなかなかいい波に乗れない状態が長く続いて。そういう時は父に会いづらかったんです」
大変な時期を送っていた。そうした最中、絵に目覚めたのは5年前のことだった。
「自分が画家としてアトリエで絵を描いている夢を見たんです。予知夢のようでした。絵を勉強したこともないのに」
やがて美術の世界に導かれるように曲のイメージ作りでデザイン画を起こすようなこともやり始め、音楽と同じくらいに夢中になった。そんなある日、父から紹介された草間彌生氏のドキュメンタリーDVDを観たことで、世界が一変した。
「シンパシーを感じたのです。自分でもできる、いや、やりたいと」
鶴太郎氏はアトリエで処女作に挑む綱久氏の姿を見て、こう言う。
「無駄な物がなく、息を飲む感じでした。これはおさえておかなきゃいけないと、携帯動画で撮影したんです。この映像は後々、大事なものになるだろうって」
それから3年が経ち、今回の個展開催。
「今年になってやっと独り立ちして、生涯を懸けるものを見つけてくれた気がします。一人の人間として祝福したい」
父親として、ちょっと一息つけたかもしれない、満足顔の鶴太郎氏であった。