私は母になれなかった――鳥取県知事を謝らせた「小池百合子」都知事の言葉狩り 識者の意見は
佐藤愛子氏は「いちいちうるさい世の中に」
渡った世間の厚み深さは伊達ではない。その一方で、17年の年間ベストセラー、『九十歳。何がめでたい』著者の佐藤愛子氏は、
「小池さんの反論って、昔の女学生がするような言い返しでしょう。だから、それについて感想を言うこと自体がバカバカしい話。アホらしくてまともに論評なんて出来ませんよ」
と一笑に付す。
「まぁ小池さんもムカっとしたんでしょうね。私もムカっと来たら無茶苦茶言っちゃうタイプだから、似たようなもんだ、ふふふ。一般論として言ったことを、個人の問題として無理に持っていくのは大人げないですよね。よっぽど虫の居所でも悪かったのかな。モノの取り方がケチ臭い。もっと正論で答えればいいじゃないですか。そんな変な感じで突っ掛からずに……」(同)
「でも……」と穂を継いで、
「何ていうか、社会全体として、いちいちうるさい世の中になりましたよね。言葉尻を捕まえてどうだっていいことをいちいち憤慨してみたり、論評してみたり。いったい何考えて生きてんだって思いますよ。もっと大事なことを考えろって。(新聞の)読者の投稿とか見ても、つまらないことで憤慨している人っていっぱいいますよね。みんな何かに苛立ってるんです。何ていうか、人間が小さくなったんだと思いますよ。なんでそんな世の中になったのか。その理由は分からないけれど、ちょっと考えたら面白いテーマかもしれませんね」
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