喧嘩仲裁で暴行被害、「長与千種」だからニュースになった? 女子プロ界の厳しい現状

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 ライオネス飛鳥と組んだ「クラッシュギャルズ」で、女子プロレスブームの火付け役となった長与千種。久しぶりに名前を聞いたかと思えば、北海道の札幌で暴行を受けた被害者という。

 11月19日午前3時10分ごろ、札幌市内の駐車場で飲食店経営の長谷川匡容疑者(27)とその妻が口論になり、仲裁に入った長与が髪の毛を掴まれ頭を押さえ付けられた。暴行を働いた男は、現場に駆けつけた警察官にその場で現行犯逮捕されている。

 とんだ災難だが、“元女子プロレスラー”が、なにゆえサッポロに?

「いや彼女は、53歳になった今もプロレスラーです」

 こう苦笑するのは、ベテランプロレスライターだ。

「長与は引退と復帰を繰り返して、2年前に新団体『マーベラス』を旗揚げしました」

 マーベラスの広報担当者によれば、試合数は年間40ほど。長与は事件前日に札幌で開催された試合後、仲間と一緒に食事をしてホテルへ帰る途中で事件に遭遇。小指を骨折したという。興行関係者の解説では、

「長与は空手3段で、今でも男性レスラーと試合をしている。彼女が手を出していたら、男の方が大怪我を負っていてもおかしくありませんでした。昔から、長与は正義感が強すぎるくらい強い。それで夫婦喧嘩に巻き込まれたのだと思います」

 こう安堵する一方で、女子プロレス界の現状を憂う。

「目下、女子プロレスの団体は10団体以上あるものの、どこも経営的に厳しくて、一試合のファイトマネーが数千円なんて話もある。一方、マーベラスは長与ファンの社長がスポンサーにいて経営は比較的安定しているが、その長与でさえ東京の湯島でライブ居酒屋を経営しています」(同)

 確かに、コアなファンでもないと現役の女子プロレスラーの名前を挙げるのは難しい。

「長与のように強いだけでなく、知名度のある選手を育成しなければ、女子プロレスの未来は今より暗いものになるでしょう」(先のプロレスライター)

 今回の事件も長与以外の女子レスラーだったら、これほどニュースにならなかったかも。レジェンド健在なり。

週刊新潮WEB取材班

2018年12月1日掲載

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