「永田町の黒幕を埋めた」告白の死刑囚が初公判 明かされた怒りと詭弁
禿げあがった額、後ろに撫で付けられた白髪、両耳の補聴器。古希を目前に控えた被告人の姿は、老人そのものだ。が、握りしめられた左手をよく見ると、それが、握りしめられた“ような”手だと気付く。4本の指を詰めているため、親指しか残っていないのだ。
1本指の被告人の名は、矢野治。前橋スナック銃乱射事件(2003年)で死刑が確定した、指定暴力団・住吉会の元幹部である。矢野は14年に死刑が確定し、同年、警視庁と本誌(「週刊新潮」)編集部に、闇から闇へと葬られた2件の殺人事件を打ち明ける手紙を送付した。...