株価暴落「ライザップ」社長が慚愧を語る(下) “負ののれん批判”への回答とグループの今後

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息子に新聞を見せた

〈今後については、グループ企業の整理を進めつつ、「本業」に回帰する方針だという。〉

 自己投資産業としてのライザップグループを中長期的にしっかり伸ばしていって、相乗効果の見込めない会社については、売却するところも出てくる。幸い、今は経済状況が悪くないので、先日の発表後、買いたいというお話は結構いただいています。

 今回、私の役員報酬については当初発表していた営業利益230億円を超えるまでは自主返納することを発表させていただきましたが、そうした話は事前に妻には伝えてありました。妻は10年前の経営危機も経験しているので、「頑張るしかない」と気丈に受け止めてくれています。13歳の息子には、発表翌日の新聞を見せたのですが、慰めてくれましたね。お父さん頑張って、お父さんなら大丈夫だよ、と。

 10年前の経営危機の時は1年で黒字に回復して、会社で表彰式をした。その帰り、妻と行った居酒屋で2人でちょっと泣いてしまった。仲間に助けられて幸せだね、と言い合いながら流した涙でした。

 あの当時から残っている社員がライザップグループにはたくさんいます。会社の現状が厳しいことをみんなに話し、年末、お金がないのでオフィス用品会社のポイントだけで忘年会をやった。銀行を相手にリスケ交渉を行った。その時は本当に辛かったですが、社員と力を合わせて乗り切ったことが大切な思い出として私の中には残っていて、それが、ライザップ……。ライザップって良い時より苦しかった時のほうが宝物になっているんですよね。今回も、1年後か2年後に「あんな時もあった」と話せる日が必ず来る。社員とはそんな話をしています。

 そして今回の件でご迷惑をおかけした皆様の信頼回復に向けて不退転の覚悟で構造改革を行い、ライザップグループの「将来」を切り拓いていきたいと思います。

週刊新潮 2018年11月29日号掲載

特集「株価ストップ安! 時代の寵児から滑り落ちたライザップ『瀬戸社長』慚愧を語る」より

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