憶えておきたい「定年後に申請しないと損するお金」一覧 長生きすればするほど得になる裏ワザ

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受け取る時期をズラす

 自営業などの個人事業主には、こんな裏ワザもあると紹介するのは、年金問題研究会代表の秋津和人氏である。

「厚生年金に加入していない方でも、国民年金には付加年金という制度があります。毎月の保険料に400円をプラスして納めていれば、納めた月数×200円で年金額が増えるというものです。例えば、60歳から任意加入した人が5年間だけ払い続けても、負担額は400円×60カ月で2万4千円。これで65歳から貰う年金額が年間1万2千円増えますから、たった2年で元が取れる格好になります」

 長生きすればするほどお得になるというワケだ。

 憶えておきたいのは、これら各種の年金やDC、まとまった額が貰える退職金などで一時的に定年後の年収が増えると、所得税や住民税、社会保険料などの負担も上がってしまうこと。

 それを防ぐ手立てを再び井戸氏に聞いてみると、

「老後に貰えるお金は、なるべく貰う時期が集中してしまわないよう、受け取り時期をズラすのがオススメです。退職金やDCを全額受け取ってしまうより、退職所得控除の上限ギリギリの額を一時金として受け取る方がお得なんです。健康で長生きする自信がある方なら、70歳までは公的年金を繰り下げておき、それまではDCや企業年金を受け取って生活するという選択肢もあります」

週刊新潮 2018年11月22日号掲載

特集「賢者が選ぶ『年金術』」より

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