思いきり肉を食べてワインを飲め 糖尿病の権威が「10歳若返る」おいしい食事を解説
赤ワインも白ワインも
卵のことは、すでに知っている人も多いだろうか。
「2015年、動脈硬化学会が食事によるコレステロールの摂取基準を撤廃しました。体内のコレステロールのうち食事が影響するのは1割にすぎないことが明らかになったからで、コレステロールを上げる原因とされてきた卵は、健康な人なら1日に2、3個食べても問題ありません」
と牧田院長。これも常識が更新された事例だが、間食もそうだ。間食は避けろ、と教わってきた人が多いはずだが、食事はなるべく多数回に分けて食べたほうが、血糖値の上昇を招きにくいというのだ。すると間食も悪くないわけだが、牧田院長のお勧めは、
「ナッツは欧米の研究で心疾患を予防することがわかっています。ほかにはチーズがお勧め。血糖値がまったく上がらないので、間食しても太りません」
加えて、牧田院長は、世の酒飲みにとってうれしい話をしてくれる。
「赤ワインは抗酸化作用が強いポリフェノールが豊富に含まれているため、動脈硬化やがん、認知症などを予防する効果があることは、よく知られています」
と言うのに続いて、
「実は白ワインも、04年のドイツでの研究により、ミネラル成分の影響でやせられることがわかっています。ただし、糖質が少ない辛口を選ぶことが大切です。それに、赤にも白にも、抗糖化、抗酸化成分が豊富に含まれ、AGEを減らすことが期待できます。また、お酒に関しては、糖質が多いビールや日本酒は、最初の1杯程度にとどめておいたほうが無難ですが、辛口のワインやウイスキー、焼酎は、いくら飲んでも太る心配はありません」
ところで牧田院長は、南イタリアのアッチャローリという地区に100歳以上の人が多く、長寿の原因は食生活だと述べた。実は、本誌(「週刊新潮」)は今年1月、この地区を含むチレントと呼ばれる地域を取材し、その食生活を2週にわたって特集した。百寿者たちの食卓を飾っていたのはオリーブオイル、青魚、新鮮な野菜、ワイン、ナッツ類、時に肉。また、彼らは不思議と糖分を控えていた。牧田院長の主張と符合するのである。
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